ゆずおじさんの小話。

ほんわりなごむ小話集...

スキー場で。

スキー場といえば...

 

 

大学4年の時の話。

 

大学のとき、同じ研究室にいた友達5人で、卒業旅行として北海道へ行きました。

 

僕たちの所属していた研究室は、忙しくハードで、深夜まで研究室に残るひとが多く、また、その教授が本当によく怒る先生で、共通の悩み・共通の敵を持つ僕たちは、とても団結力が高まっていたのでした。

 

それで旅行ですが、当時僕たちにスノボー経験者はおらず、各々中学や高校の修学旅行で経験のあるスキーをすることにしていました。

 

そのスキー場での出来事。

 

スキー場内では、移動手段がいくつかありました。ひとつはゴンドラ、ひとつは二人乗りの座って乗るリフト、そしてもうひとつ...

 

短い距離を上るときには、こういう↓手で捕まるだけのタイプのリフトがありました。30秒くらいで上に到着するものだったと思います。

 

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分かりにくいと思います。

ロープに棒が付いていて、上に行けるようぐるぐる回っています。

 

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低い姿勢を保ち、こうして捕まることで、スキー板を着けたまま上に滑りながら上れます。

 

ただ、このリフト、ちょっとしたコツが必要になっていて、持ち手のところに体重をかけたらいけないようになってます。ロープに棒が付いているだけなんです。

 

どういうことかというと、

 

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みゅ~て体重かけた分下がります。ただのロープなので。

 

係員のひとも、初めての方はくれぐれも体重をかけないようにと、お願いをしていました。

 

僕たちは不慣れながらも、なんとかコツを掴み、上ることができるようになります。

...一人を除いて。

 

Kという友人がいました。彼が最初に挑んだのですが、彼はどうしてもそのコツが分からないようで、棒を掴んだ瞬間に思いっきり体重をかけてしまっていました。

 

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描いてませんが、スキー板は着けたままです


体重かけたらそのまま下がるし、下がったと思って引っ張ると後ろに反れるし、やっぱ前かと思うと、前に行ってしまい...

 

結局、こうなります ↓

 

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上下左右にびよんびよんで、上れないんです。

 

本人にしたら意味不明だったかもしれないですね。なんで他のヤツはスムーズに上れるんや!?と。

頭の中のイメージでそのリフトはしっかりした作りの物になっていて、どうしてもそのイメージが取れなかったんでしょう。

 

係員もさすがにこいつはダメだと思ったみたいでした。

だいたい常に10人くらい並んでいたのかな、Kは客の列の最後尾に並びなおすことになり、僕が先に上ることになりました。

 

僕も最初は『おっ』と思ったのですが、うまい具合にコツを掴みまして、Kのようにはならずに上ります。

 

すると、僕が上に到着するころ、ロープが若干揺れ始めました。

 

振り返ったら、また、Kです。

またKがこんなことになってるんです↓。

 

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おまえは、学習能力がないのか!?と。

あんだけ係員が体重かけんなと言っていたのに、またか!と。

 

Kはまたそこでずっこけまして、再度並びなおしです。

 

僕含め他の4人は、何事もなく上に到着し、Kを待ちます。

 

もう、Kを見てると、笑いが止まりませんでした。

何度やっても、あぁなります。おっコツ掴んだかなぁ?と一瞬見えても、少し上ったらまたびよんびよんです。その度に最後尾に並びなおし。もう少しでうまく行きそうなのに。

 

それで、そのKの前後の人にもけっこう影響があったりして、その人たちも慣れてなかったら大変なんです。

 

その人たちを巻き込んで...

 

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前後のひとたちも、びよんびよんです。3人でびよんびよんです。

 

巻き込まれた人たちは、たまったものじゃないです。

 

ちょ、待っ、揺らすな、おい!

 

うっ、こ、こっちが、

 

こっちも、あ~ッ!!

 

そんな感じだったと思います。

 

びよんびよんびよんびよん...

 

5、6回以上やっても上手く上れず、他人を巻き込んで、ずっこけて、最悪でした彼は(笑)

 

結局、歩いて上らされるのでした。

 

もう、ひさしくKとは会っていませんが、もしまたいつか一緒に北海道に行くことがあれば、動画で撮影してやりたいと思っています。

 

 


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